イタリア料理講習会レポート・前編
先週10月5日は、シェフが所属している Federcuochi Club Giappone フェデルクオーキ・クラブ・ジャポーネのイタリア料理講習会が開催されました。
「現在のローマ料理」をテーマに、山崎シェフの調理実演と、Federcuochi Club Giappone吉川名誉会長(エル・カンピドイオ オーナーシェフ)の解説で、5品をご紹介。ローマで調理経験のあるふたりならでは!の「ローマ事情」も盛り込んでの講習会となりました。
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<antipasto>
・La vignarola 野菜のブドウ農家風
・Zuppetta di fagioli cannellini e calamari 白インゲン豆のズッペッタ ヤ リイカ添え
<primo piatto>
・Bucatini alla matriciana ブカティーニ アマトリーチェ風
・Pasta e fagioli パスタとインゲン豆
<secondo piatto>
・Polpettina di coda alla vaccinara ポルペッティーナ オックステールの ローマ風
レシピの解説は割愛して・・・
シェフふたりのローマでの経験談と、ローマ料理の背景について少しご紹介します。
一品目は、春野菜を使った前菜
【LA VIGNAROLA ラ・ヴィニャローラ】
ヴィニャローラは、ブドウ農家風という解釈もありますが、
吉川シェフによると、ブドウを入れた篭を頭にのせて運ぶ女性達を「ヴィニャローラ」と呼んでいたそう。
現在では見られない光景ですが、彼女達が収穫して作っていたことが想像できる料理です。
使う食材は、ソラマメ、カルチョーフィ(アーティチョーク)、グリンピースなど。
山の恵みを楽しめるラツィオ州の郷土料理です。
グアンチャーレの旨味が、野菜の美味しさを引き立てます。
ここで、話題に上がったのが「カルチョーフィCarciofi」
カルチョーフィの季節は、シェフの指先は真っ黒に。
ブランドショップで買い物をするとき、指先を見られると恥ずかしかったという想い出も・・・
アクが強く下処理にも手間がかかる困りもの!!
とはいえ、食べ慣れるとくせになる美味しさで・・・とシェフふたりが顔を見合わせて笑っていました。
種類はいろいろあり、ローマでも特級品扱いなのが
「カルチョーフォ・ロマネスコ」(ラツィオ産IGP食品)
また、部位によって扱いが異なり、主軸の部分は、マンモレMammole(おかあさん)、枝分かれした部分がニポティーニ(孫)と呼ばれ、大きく立派なマンモレは特級品で、シェフが買い付けていた市場では束ねて立て て売られていたとのこと。
現在は、夏以外の涼しい時期なら入手できますが、吉川シェフの時代には、春だけ市場に出回る野菜だったそうです。
本来の「旬」を忘れずにいたいですね。
そして、もうひとつ「ソラ豆 Fave」について
ローマでは、5月1日はソラ豆を食べる日。旬になるとシェフもスナック感覚でよく食べていたそう。
しかも、生で!! 生でも美味しいのは、採れたて旬のソラ豆ならでは。塩味の強いペコリーノロマーノとの組み合わせは定番で、ソラ豆の甘味が引き立ちます。
ローマで親しまれている身近な食材から生まれた旬の料理。
採れたての旬の味を、是非味わってみたいものです。
後編へ続く・・・