COLUMN

イタリア料理講習会レポート・後編

2015-10-23

先週に引き続き、
Federcuochi Club Giappone(イタリア調理師協会)の講習会レポート・後編です。(前編はこちら

 

「現在のローマ料理」をテーマに、山崎シェフの調理実演と、吉川名誉会長(エル・カンピドイオ オーナーシェフ)の解説で5品をご紹介。後編はプリモとセコンドのお話を。

 

ローマの名物パスタといえば・・・
「カルボナーラ」「カチョ エ ペペ」そして、
今回ご紹介した「アマトリチャーナ」です。


<primo piatto>

Bucatini alla matriciana ブカティーニ アマトリーチェ風

 

ペコリーノ・ロマーノ(羊乳のチーズ)とトマトで作るシンプルな「トマトパスタ」と侮るなかれ、実に味わい深いパスタ料理。パンチェッタではなくグアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)を使うのがローマの伝統的なレシピ。その味の違いは歴然で、「グアンチャーレ」にしみ込んだスパイスとハーブの豊かな薫りが鼻を抜け、熟成された脂の甘みと旨味が口いっぱいに広がり、後をひく美味しさです。仕上げにふりかけるペコリーノ・ロマーノの香りがまた食欲をそそります。


カルボナーラにも同じく「グアンチャーレ」を使うのがローマの流儀。

※ブカティーニは穴の空いたロングパスタです。

 

山崎シェフが初めてアマトリチャーナを食べたのは、伝説のイタリア料理店「カピトリーノ」でした。吉川シェフの店!日本のイタリア料理ブームの先駆けですから、当時の日本で、本場ローマと同じ味のパスタが食べられる店は他になかったのでは? 初めての美味しさに感動し、忘れられないパスタ料理となりました。
そんな自分(山崎シェフ)が、まさかアマトリチャーナの講習する身になるとは・・・・

 

 

続いて <secondo piatto>

Polpettina di coda alla vaccinara ポルペッティーナ オックステールの ローマ風

 

コーダ・アッラ・ヴァチナーラとは、牛テールの意味。牛の尻尾をセロリやトマトと一緒に柔らかくなるまで煮込んだ

Coda di bue alla vaccinara オックステールのローマ風煮込み はローマの伝統料理です。これを現代風に小さく丸めてポルペッティーナ(肉団子)に仕上げました。牛テールの旨味と、シナモン、クローブなどスパイスの複雑な薫りがたまらず・・・ワインくださ〜い。と言いたくなる味。

 

ここでは、シェフも愛着のあるローマの下町テスタッチョのお話が。

テスタッチョは、古代ローマ時代から1960年代までローマ市立の屠殺場があったエリア。その周辺には今でも内臓専門店が多くあり、トリッパや牛テールの煮込み料理が味わえます。

 

 

 

 

ローマは「イタリアでもっとも内臓を食べる地域」といわれています。その背景には、ローマの歴史と貴族の食文化が深く関わっています。
牛肉の上質な部位を食べる貴族達の為に、テスタッチョでは牛の屠殺が大量に行われていました。そして、残りの内蔵部分は庶民の胃袋へ。庶民が残り物の内蔵を「美味しい内蔵料理」へと昇華させ、今に至ります。

 

内蔵料理は独特の臭みや食感があり、苦手という方も多いのでは?
苦手という方でも、是非一度食べて頂きたいのがこちら。「トリッパのトラステヴェレ風煮込み」
吉川シェフのお店「エル・カンピドイオ」でも提供しています。初めて食べれば感動!爽やか〜なミントの香りでやみつきになる味です。

 

ローマ料理トリッパ写真


トラステヴェレの対岸にあるのがローマの下町テスタッチョ。ローマ最古の青空市場(現存)もあり、庶民の食文化が育まれたエリア。現在、屠殺場跡地は再開発され、美術館やナイトスポットなど新たな魅力も加わり、若者にも人気のエリアでもあります。

 

講習会レポート 前編&後編では収まりきらず。
余談はまたいつかご紹介します。

 

 

ローマ料理とビステッカ  
Er bisteccaro dei magnacconi

エル ビステッカーロ デイ マニャッチョーニ
11:30-14:00 L.O.  / 18:00 – 23:00 L.O. (月曜定休)

TEL : 03-6264-0457 Menuページ

 

イタリア料理講習会レポート・前編

2015-10-16

先週10月5日は、シェフが所属している Federcuochi Club Giappone フェデルクオーキ・クラブ・ジャポーネのイタリア料理講習会が開催されました。

 

「現在のローマ料理」をテーマに、山崎シェフの調理実演と、Federcuochi Club Giappone吉川名誉会長(エル・カンピドイオ オーナーシェフ)の解説で、5品をご紹介。ローマで調理経験のあるふたりならでは!の「ローマ事情」も盛り込んでの講習会となりました。

MENUはこちら

<antipasto>

La vignarola 野菜のブドウ農家風

Zuppetta di fagioli cannellini e calamari 白インゲン豆のズッペッタ リイカ添え

<primo piatto>

Bucatini alla matriciana ブカティーニ アマトリーチェ風

Pasta e fagioli パスタとインゲン豆

<secondo piatto>

Polpettina di coda alla vaccinara ポルペッティーナ オックステールの ローマ風

 

レシピの解説は割愛して・・・
シェフふたりのローマでの経験談と、ローマ料理の背景について少しご紹介します。

一品目は、春野菜を使った前菜

LA VIGNAROLA ラ・ヴィニャローラ】

 

ヴィニャローラは、ブドウ農家風という解釈もありますが、
吉川シェフによると、ブドウを入れた篭を頭にのせて運ぶ女性達を「ヴィニャローラ」と呼んでいたそう。

現在では見られない光景ですが、彼女達が収穫して作っていたことが想像できる料理です。

使う食材は、ソラマメ、カルチョーフィ(アーティチョーク)、グリンピースなど。

山の恵みを楽しめるラツィオ州の郷土料理です。
グアンチャーレの旨味が、野菜の美味しさを引き立てます。

ここで、話題に上がったのが「カルチョーフィCarciofi

カルチョーフィの季節は、シェフの指先は真っ黒に。

ブランドショップで買い物をするとき、指先を見られると恥ずかしかったという想い出も・・・

アクが強く下処理にも手間がかかる困りもの!!
とはいえ、食べ慣れるとくせになる美味しさで・・・とシェフふたりが顔を見合わせて笑っていました。

種類はいろいろあり、ローマでも特級品扱いなのが

「カルチョーフォ・ロマネスコ」(ラツィオ産IGP食品)

また、部位によって扱いが異なり、主軸の部分は、マンモレMammole(おかあさん)、枝分かれした部分がニポティーニ(孫)と呼ばれ、大きく立派なマンモレは特級品で、シェフが買い付けていた市場では束ねて立て て売られていたとのこと。

現在は、夏以外の涼しい時期なら入手できますが、吉川シェフの時代には、春だけ市場に出回る野菜だったそうです。

本来の「旬」を忘れずにいたいですね。

そして、もうひとつ「ソラ豆 Faveについて

ローマでは、51日はソラ豆を食べる日。旬になるとシェフもスナック感覚でよく食べていたそう。
しかも、生で!! 生でも美味しいのは、採れたて旬のソラ豆ならでは。塩味の強いペコリーノロマーノとの組み合わせは定番で、ソラ豆の甘味が引き立ちます。

ローマで親しまれている身近な食材から生まれた旬の料理。
採れたての旬の味を、是非味わってみたいものです。

後編へ続く・・・

美人が食べているもの。an an掲載

2015-10-07

10月7日発売の「an an」のテーマは、

「美人がたべているもの」

オリーブオイルや、酵素、伝統食・・・などありますが
やっぱり「お肉」もキレイの味方。

今回のan an表紙、長澤まさみさんは、筋金入りの肉好きだそうです。

パーティメニュー画像

「牛肉のタリアータ ルーコラとグラナパダーノ添え」
Tagliata di manzo con rughetta e granapadano

いつだって女子のキレイの味方♡
いま食べたい! 魅惑のお肉ガイド。でご紹介頂きました。

タリアータは”薄切り”の意味。赤身肉のビステッカをスライスして、バルサミコと長期熟成の硬質チーズ グラナ・パダーノを添えて、肉の旨味が引き立つ組み合わせ。ルーコラの爽やかな香りと辛味もほどよいアクセントに。

バルサミコもグラナパダーノも、イタリアの伝統食品。
熟成されて増す旨味も美味しさのポイントです。
添加物を使わないシェフのポリシーで、調味料もイタリアの良質なものを使用しています。

また、平日ランチメニューでは、
野菜たっぷりの前菜と共に、タリアータをご提供しています。
一口で上品に食べられるタリアータ。女性にも好評です。

Agnello

ダイエットには「羊肉」?
代謝を上げ、皮膚の美しさにも関係が。

中でもラム肉は柔らかで消化がよく
牛肉よりも必須アミノ酸のバランスよく、代謝を上げる効果も。

仔羊の料理もご用意しています。 Menu

◇仔羊のカッチャトーラ風
Agnello alla cacciatora

◇乳飲み仔羊のスコッタディート(要予約)
Abbacchio a scottadito

お肉は美の源です。
良質なタンパク質、美肌を作るビタミン類など、
お肉はキレイを作る要素の宝庫。(an anより)

低脂肪でタンパク質豊富な赤身肉。
赤い見た目の通り、鉄分もたっぷりです。

anan(2015.10.7発売)
美人が食べているもの。

いつだって女子のキレイの味方♡
いま食べたい! 魅惑のお肉ガイド。

P.63 いつの間にやら肉の街!東銀座お肉クルーズ

今宵、行きたいレストラン「大人たちのメンズノンノ」

2015-10-02

今週、MEN’S NON-NO 創刊30周年を前に特別に刊行された「大人たちのメンズノンノ」

表紙モデルは、阿部寛。(メンノン伝説のモデル)
いくつになってもかっこいい。
そして、いくつになっても美味しいものには目がない。そんな大人のオトコ達に向けて、ニューオープン&話題の店から選んだ「今宵、行きたいレストラン」を紹介。

Cena Er bisteccaro

当店も「大切な仲間と」行きたいお店 としてご紹介いただきました。

◆掲載メニュー:「前菜盛り合わせ」「Tボーンステーキ1kg」「オックステールのローマ風煮込み」
大切な仲間と・・・
ボリュームがイタリア並みの料理は、大勢でわいわいシェアがおすすめです。
「1kgのTボーンステーキ」が登場すると、やっぱり盛り上がります。
大切な仲間と美味しさや楽しい時間を分かち合ってもらえれば最高です。

前菜からボリューム満点。ビステッカを焼き上げるまでの間、様々な前菜をお楽しみ頂けます。
そして、肉料理を堪能したら、すでに満腹?ドルチェどころか、パスタにもたどり着けないということもしばしば。
「先日食べ損ねた本場のカルボナーラが食べたくて〜」と、再来店いただけるのも嬉しいですよ。

価格もほどよく雰囲気もカジュアルに、仲間と気軽に通えるお店を目指しています。Trippa alla trasteverina

 

9月29日発売「大人たちのメンズノンノ」

阿部寛、風間トオル、桐島ローランド、リヒト・・・
メンノン歴代のモデル達が、味のある大人のオトコになって登場。懐かしく、新鮮です。

さて、山崎シェフのファッションセンスは・・・・
シェフもやんちゃな?10代〜20代にメンノンを読み、ローマに渡ってセンスも腕も磨いて、すっかりいい大人に。店ではコック服姿のシェフですが、私服を自分らしく着こなすイタリア仕込みのファッションセンスはさすがです。

ローマでも愛用していたブランドBoggi(日本未入荷?)や、mauro grifoniのジーンズ、Gucciなどなど・・・さらりとイタリア小物も身に着けていたり。いつか休日のシェフもご紹介できればと思います。

Men-non

 

銀座で愛される店に!「Hanako銀座特集」

2015-10-01

銀座は、世界有数の“美食の街”

老舗店も多い中、最近、良店が増えていると評判なのが「東銀座」
“美食エリア”として注目が高まっているだそうです。(Hanakoより)

ginza

9月24日発売の「Hanako」は「銀座、再発見!」特集

銀座3丁目にあるEr bisteccaro dei magnaccioniも、
ご近所の鮨店、焼鳥店、フレンチと並んでご紹介いただきました。
掲載メニューは「Tボーンステーキ」と「生ハム、サラミ盛り合わせ」

正統派ローマ料理とビステッカで
銀座で長く愛される店を目指します!

敷居が高そうなイメージの銀座ですが、
気軽に家族や仲間達と、たっぷり食べて笑って楽しいひとときをお過ごしください。

1001Er

さらに、
「食のプロが選んだお値打ち定食」のページで、
6人の料理人が選んだ、素材、味よし!のお値打ち定食を紹介。

山崎シェフの太鼓判の定食は、「一凜」の陳麻婆豆腐御膳
程よい辛味、山椒の香りと刺激でヤミツキに。


Hanako(2015.9.24発売)銀座、再発見!特集号

老舗の菓子店や喫茶店、続々とオープンする新しい商業施設など、楽しい街歩き&美食巡りができる銀座の魅力満載です。

P.42 東銀座~美食の注目エリアに予約困難店が続々!
P.83 食のプロが選んだ定食

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